ChatGPT Images 2.5が登場。画質と編集精度が大幅向上、生成速度は最大50%短縮
Image:OpenAI
OpenAIは2026年9月8日(現地時間)、画像生成モデル「ChatGPT Images 2.5」を発表した。ChatGPTアプリ、ChatGPT Work、Codexの各プラットフォームで即日ロールアウトが始まっており、デスクトップ、モバイル、Webのすべてで利用できる。前バージョンとなる「ChatGPT Images 2.0」の発表は2026年4月21日だったため、およそ5ヶ月ぶりのメジャーアップデートとなる。OpenAIによれば、ChatGPT ImagesおよびAPI経由のGPT-Imageモデルを通じて、ユーザーは毎週30億枚以上の画像を生成しているという。今回のアップデートは、その巨大な利用規模を踏まえたうえで、画質や速度だけでなく「創作の自由度」そのものを底上げすることを狙ったものだ。
何が変わったのか
OpenAIが公式ブログで強調しているのは、大きく分けて四つの改善点である。
一つ目は画像の忠実度だ。Images 2.5は参照写真から人物や物体の特徴を引き継ぐ能力が高まり、新しい設定やビジュアルスタイル、構図に置き換えても、被写体が本人や元の対象と認識しやすい仕上がりになるという。照明やテクスチャの自然さも向上しており、赤ちゃんのポートレートを別スタイルで再構成したり、コスチュームを着せた犬の写真を作ったりといったデモが公式ページで紹介されている。
二つ目は編集の精度である。これまでのモデルでは、画像の一部だけを直したいのに関係のない部分まで変化してしまうことがあったが、Images 2.5では指示された箇所だけをピンポイントで編集し、それ以外の要素はそのまま保持する精度が向上したとしている。複雑な被写体や背景を含む画像でも、この挙動は安定しているという。APIを使う開発者にとっては、商品写真の背景だけを差し替えたり、キャッチコピーの一部だけを修正したりといった、ブランド管理が重要な業務での実用性が上がることになる。
三つ目はマルチターン編集の一貫性だ。ChatGPT上で会話を重ねながら画像を少しずつ調整していく使い方において、以前の編集内容が崩れにくくなり、画質が劣化しにくくなったとOpenAIは説明している。長い会話の中で編集を積み重ねる制作フローでは、これまで「途中でディテールが変わってしまう」という不満が少なくなかった領域であり、実運用での効果が注目される。
四つ目は複雑な指示への理解力とスタイル表現の向上である。透明背景を含む複雑なレイアウトへの対応や、現実の情報を反映した画像の正確性が高まったとしている。中世モダン風のポスター、印象派風の風景画、ヴィンテージ調の切手デザインなど、公式ブログに掲載されたサンプル画像は幅広いスタイルをカバーしており、ブランド用のクリエイティブアセットを一貫して量産したい企業ユーザーを意識した内容になっている。
新機能Sketchとテンプレート
今回のアップデートでは、モデル性能だけでなく、ChatGPTアプリ内の創作体験そのものにも手が加えられている。代表的なのが「Sketch」機能だ。ChatGPT上で直接手描きのラフスケッチを描き、それを最終的な画像生成の参照として使うことができる。部屋のレイアウトや洋服のシルエットといった簡単な線画から、仕上げのスタイルを指定するだけで完成度の高い画像に変換してくれるという。プロのイラストレーションスキルがなくても、頭の中にあるイメージをより正確に伝えられる手段として位置づけられている。利用するには、ChatGPT内で「@Sketch」と入力すればよい。
またチラシやグッズ制作など、よく使われるクリエイティブ用途に向けたテンプレート機能も追加された。ゼロから作り始めるのではなく、あらかじめ用意されたフォーマットを選び、伝えたい情報やデザイン要素を加えていくことで、迷わず制作を始められるようにする狙いがある。加えて、画像に直接コメントを付けられる機能や、生成に使ったプロンプトを画像と一緒に共有できる機能も追加された。プロンプトを共有すれば、他のユーザーが自分の写真や設定を使って同じアイデアを再現できるようになる。公式ブログでは、80年代風のポートレートに変換するプロンプトが例として紹介されており、SNS上で話題になっているとしている。
開発者向けにはFlareとSunburstの2モデル
API向けには、「GPT-Image-2.5 Flare」と「GPT-Image-2.5 Sunburst」という二つの新モデルが投入された。Flareは品質、編集精度、速度のバランスが取れたモデルで、多くのアプリケーションにとってのデフォルトの選択肢と位置づけられている。OpenAIによると、従来のGPT-Image-2と比較して高品質でありながら、レイテンシは50%低いという。クリエイター向けコンテンツやSNS投稿、商品体験、ビジュアル検索、迅速なプロトタイピング、大量生成など幅広い用途に適しているとされる。
一方のSunburstは、生成時間は長くなるものの、より緻密な制御を求めるプレミアムなクリエイティブワークフロー向けに設計されている。制作物として仕上げる必要のあるキャンペーン用クリエイティブや、洗練された商品画像の制作など、編集精度が特に重視される場面での利用が想定されている。
公式発表には、AdobeやManus、Higgsfield AIといった早期採用パートナーのコメントも掲載された。Higgsfield AIのプロダクト責任者は、Flareが「何を変更しないべきかをよく理解している」点を高く評価し、編集を加えても元画像のキャラクターや構図、ビジュアルアイデンティティが失われにくいと述べている。AdobeはクリエイティブAIスタジオ「Firefly」に新モデルを組み込むことを表明し、解像度の一貫性を保ちながら高速な生成が可能になるとコメントした。Manusの評価チームは、Flareが従来のGPT-Image-2と比べて2倍から4倍の速度で高品質な画像を生成できるとし、透明背景の生成精度向上によってブランド素材やプレゼンテーション、Webサイト向けの制作に適していると評価している。
安全対策と提供状況
OpenAIは今回のアップデートでも、既存の安全対策を引き継いでいるとしている。プロンプトや生成画像に対するチェック機構により、有害な出力を防ぐ仕組みを維持しつつ、C2PAメタデータと不可視の電子透かしを用いて、生成された画像がAIツールによるものであることを識別できるようにしているという。詳細な評価内容は、OpenAIのディプロイメントセーフティ関連ページで公開されているシステムカードに記載されている。
料金と提供状況については、Images 2.5はChatGPT、ChatGPT Work、Codexの全プランで、デスクトップ、モバイル、Webを問わず本日からロールアウトが始まっている。API向けのGPT-Image-2.5 SunburstとFlareについては、OpenAIの開発者向けドキュメントで料金の詳細が公開されている。
画像生成の分野では、これまでも数ヶ月おきに競合との性能競争が続いており、Googleの画像生成機能やMicrosoftのMAI-Image-2.5-Proなど、他社の高精細画像モデルとの比較が話題になる場面も増えている。なお、9月上旬にはChatGPTのフロントエンド内に「画像生成が大幅にアップグレードされた」と示唆する非表示のモーダルが発見されており、その存在が今回の発表を予感させるシグナルとして事前に取り沙汰されていた。
今後は、Sketch機能やテンプレート機能がどれだけ一般ユーザーの創作体験を変えるか、そしてAPI版のFlareとSunburstが実務でのコスト効率をどこまで改善するかが焦点になりそうだ。編集の一貫性向上は特に、広告やEC分野での商用利用における実用性を左右する要素であり、今後のユーザーからのフィードバックによって評価が固まっていくとみられる。
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