Xiaomi、ウィーンでグローバル発表イベントを開催 17Tシリーズや新ウェアラブルを一挙公開
2026年5月28日、Xiaomiはオーストリアの首都ウィーンにて「Xiaomi Launch May 2026」と題したグローバル発表イベントを開催し、スマートフォンからウェアラブル端末、オーディオ製品まで幅広いラインナップを世界市場に向けて発表した。イベントは日本時間の同日午後9時(UTC正午)よりライブストリーミングされた。
今回の主役はXiaomi 17Tシリーズだ。前モデルの15Tシリーズが2025年9月にグローバル展開されたことを踏まえると、今回は約4ヶ月前倒しでの海外デビューとなり、Tシリーズ史上最も早いグローバルローンチという記録を塗り替えた。Xiaomiは事前の告知でこのシリーズを「Tシリーズ史上最大のアップグレード」と位置づけており、実際の発表内容はその言葉に見合う規模のものとなった。
Xiaomi 17T 上位ミドルレンジにLeica Summiluxを標準搭載
標準モデルのXiaomi 17Tは、6.59インチの1.5K AMOLED(120Hz)を採用し、ピーク輝度3,500ニット、Dolby Vision対応、コーニング・ゴリラガラス 7iによる画面保護を備える。プロセッサーはMediaTek Dimensity 8500 Ultra、RAMは12GB、内部ストレージは256GBと512GBの2構成で用意された。
カメラシステムはLeicaとの協業によるトリプルカメラ構成で、メインセンサーに50MPのLeica Summilux(Light Fusion 800)を採用し、5倍光学ズームの望遠レンズと12MPの超広角レンズを組み合わせる。最大120倍のAIデジタルズームにも対応しており、望遠撮影への注力が今シリーズの核心となっている。前面カメラは32MPで、インディスプレイ指紋センサーも内蔵している。
バッテリーは6,500mAhで、67Wの有線急速充電をサポートする。防水防塵性能はIP68(水深3m、30分)で、Bluetooth 6.0、Wi-Fi 6E、NFCにも対応。OSはAndroid 16をプリインストールする。フレームには樹脂素材が使われており、ここが上位モデルとの素材面での差となっている。
欧州市場での価格は12GB/256GBモデルが749ユーロ(約12万2,000円)、512GBモデルが799ユーロ(約13万円)。カラーバリエーションはViolet、Opal White、Blue、Blackの4色展開で、購入者へのプレオーダー特典としてRedmi Headphones Neoが付属する。
Xiaomi 17T Pro 7,000mAhと100W充電で差別化、Light Fusion 950搭載
上位モデルのXiaomi 17T Proは、6.83インチの1.5K AMOLED(144Hz)を採用し、わずか1.29mmという極細ベゼルを実現している。チップセットはMediaTek Dimensity 9500を搭載しており、プロセッサーのグレードが標準モデルとは明確に異なる。
カメラの基本構成は17Tと共通しつつも、メインセンサーにはより上位のLight Fusion 950を搭載する。5倍光学ズームと120倍AIデジタルズームは両モデルで共通だが、センサー品質の差がとくに暗所での描写力に影響するとされている。
バッテリーは7,000mAhに拡大し、100Wの有線充電と50Wのワイヤレス充電に対応する。欧州での充電速度はこのクラスとしてトップレベルに位置しており、Xiaomiがバッテリー性能においても本格的なフラグシップ競争に参入してきたことを示している。
欧州価格は12GB/512GBモデルで999ユーロ(約16万2,000円)。プレオーダー特典はRedmi Headphones NeoにXiaomi Smart Band 10を加えたセットとなっている。なお、ロシア市場向けにはストレージ1TBモデルの存在も確認されている。
両モデルはAndroid 16搭載、IP68対応、デュアルナノSIM対応で共通しており、インフラレッドポートも引き続き搭載している。
Xiaomi Watch S5 46mm 3素材ベゼルと21日間バッテリーを両立
スマートウォッチ部門では、2024年のWatch S4の後継機となるXiaomi Watch S5 46mmがグローバル市場向けに発表された。316Lステンレス素材を採用したケースは46gという軽量設計で、厚さは10.99mmに抑えられている。今回の特徴的な点は、ステンレス、セラミック、鍛造カーボンという3種類の交換可能なベゼルを用意した点で、ユーザーが用途や好みに合わせて外観をカスタマイズできる設計となっている。
ディスプレイは1.48インチのAMOLELで、480×480ピクセルの解像度とピーク輝度2,500ニットを実現しており、屋外での視認性を確保している。815mAhのXiaomi Surgeバッテリーを搭載し、軽量使用時で最大21日間というバッテリー持続時間はWatch S4の15日間から大幅に向上した点として強調されている。
健康管理・フィットネス機能においては、心拍数モニタリングの精度が98.4%に向上し、150以上のスポーツモードをサポートする。デュアルバンド5衛星測位システム(GNSS)を内蔵しており、アウトドアトラッキングの精度も高められている。5ATM防水にも対応し、OSはHyperOS 3を採用している。カラーバリエーションはBlack、Silver、Ceramic Blue、Jungle Greenの4色展開だ。
Xiaomi Smart Band 10 Pro デュアルライトPDセンサーとHRV睡眠追跡
フィットネスバンドの最新モデルとなるXiaomi Smart Band 10 Proは、中国市場では5月21日に先行発表されていたが、今回のウィーンイベントでグローバル展開が正式に確認された。1.74インチのAMOLEDディスプレイを採用し、ピーク輝度は2,000ニット。前モデルと比べて輝度と画面サイズの両面で強化されている。
最大の技術的特徴は新設計のデュアルライトPDセンサーで、心拍数測定精度の向上と、HRV(心拍変動)を活用した睡眠トラッキング機能の精度改善が図られている。また、内蔵GNSSによりスマートフォンなしでの屋外ルート記録が可能になった点も前モデルからの進化点だ。本体重量はアルミモデルが21.6g、セラミックモデルが28.7gで、磁気充電に対応している。
Xiaomi Buds 6 aptX Lossless対応のセミインイヤー型イヤホンがグローバル展開へ
Xiaomi Buds 6は2025年12月に中国市場で先行発売されていたが、今回のイベントをもってグローバル市場での正式展開が開始された。各イヤホンの重量は4.4gで、セミインイヤー型のデザインを採用している。Xiaomiはステムの太さを前モデル比で12%、サウンドアウトレットを11.3%細くするとともに耳との接触面積を8.8%拡大することで、長時間装着時の快適性を向上させたとしている。
音響面では、11mmのトリプルマグネット・ダイナミックドライバーと24Kゴールドメッキ振動板を採用しており、低音域の感度は前世代から40%、高音域は30%向上したとされる。コーデック対応はSBC、AAC、aptX Adaptive、aptX Losslessで、Snapdragon Soundの活用によりBluetooth 5.4を介した最大2.1Mbpsでのロスレスオーディオ伝送が可能だ。ノイズキャンセリング性能は95dBの環境下での通話にも対応するとしており、マイクを2本搭載したAI通話ノイズ低減機能も備えている。
バッテリー持続時間はANCオフ時で本体のみ最大6時間、充電ケース込みで最大35時間。ANCオンでは本体で3.5時間、ケース込みで最大20時間となっている。本体のIP54防水防塵性能も備える。欧州での販売価格は119.99ユーロで、購入者には2026年8月8日を期限とする3ヶ月間のSpotify Premium無料トライアルが付与される。充電ケースを含めたカラーバリエーションはGraphite Black、Pearl White、Titan Gray、Nebula Purpleの4色展開だ。
Violet CollectionとXiaomi Sound Play
今回のイベントでは製品ラインナップに横断的に展開される「Violet Collection」と題した新カラーコレクションも発表された。Xiaomi 17T、Xiaomi Buds 6、そしてポータブルBluetoothスピーカーのXiaomi Sound Playにわたって深みのある紫色を共通展開するもので、イベントの視覚的テーマとも連動している。Buds 6のNebula Purpleバリアントはキャットアイ効果の反射仕上げを採用しており、プレミアム感を演出している。
Xiaomi Sound Playはポータブル型のBluetoothスピーカーで、イベント期間中のライブストリームコメント参加者への景品としても設定されていた。詳細なスペックや価格は発表時点では明示されていないが、今後の情報開示が注目される。
スマートホーム製品群も拡充
今回のイベントではXiaomi 17Tシリーズやウェアラブル端末にとどまらず、AIoTエコシステム製品の更新も行われた。Xiaomi TV S Mini LED 2026や、ロボット掃除機のXiaomi Robot Vacuum H50 Proなど、スマートホーム分野でのラインナップ拡充が確認されている。これらの製品は、Xiaomiがスマートフォンを中心とした単一ブランドとしてではなく、家庭内のあらゆるデバイスを統合するエコシステム企業として成長路線を歩んでいることを改めて示している。
Tシリーズの価格帯シフトと市場戦略
今回のXiaomi 17Tシリーズを俯瞰すると、いくつかの重要な方向性の転換が読み取れる。まず、標準モデルのXiaomi 17TにもLeica Summiluxレンズと5倍光学望遠が搭載された点は注目に値する。これはLeicaとの協業をこれまでの超フラグシップ機に限定せず、より幅広い価格帯のユーザーに広げる意思の表れといえる。
一方で、欧州での17Tが749ユーロ、17T Proが999ユーロという価格設定は、かつてのTシリーズが担っていた「フラグシップキラー」的な役割からは大きく離れた水準だ。この価格帯はSamsung Galaxy S25系列やGoogleのPixelシリーズとの直接競合を意味しており、Xiaomiが純粋な低価格訴求から脱却し、プレミアムポジショニングへの移行を本格的に進めていることを裏付けている。Dimensity 8500を搭載する17TとDimensity 9500を搭載する17T Proという明確な性能差の設定は、同一ブランド内で幅広いニーズを取り込もうとする戦略の反映でもある。
なお、今回のグローバル発表に日本市場が含まれるかどうかについては現時点で公式な発表がなく、今後の国内向け展開の動向を注視する必要がある。
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