Apple Event直前リークまとめ:Bloombergが伝える2000ドルの折りたたみ「iPhone Duo」、Apple Watchには新レコーディング機能も

日本時間9月10日未明、Appleの秋の新製品発表イベント「Surprise and shine」がまもなく開幕する。米カリフォルニア州クパティーノのスティーブ・ジョブズ・シアターで現地時間9日午前10時(日本時間10日午前2時)に開幕するこのイベントは、John Ternus新CEOにとって就任後初めてとなる大型プロダクトローンチだ。TernusのCEO就任は今年4月20日に発表され、取締役会が4月17日付で正式承認、9月1日付で発効した。前CEOのTim Cookは15年間務めたCEO職を退いて執行会長に就いており、当日は登壇せず客席から見守る立場になるとみられている。あわせて、Ternusのハードウェア部門トップの後任にはJohny Srouji氏が昇格し、非執行会長だったArthur Levinson氏が筆頭独立取締役に就任するなど、経営体制の刷新も同時に進んでいる。

開幕を目前に控え、Bloombergのマーク・ガーマン記者をはじめとする複数の情報源から、土壇場のリーク情報が相次いで浮上した。本稿では、発表直前の時点で伝えられている主要な観測情報を整理する。なお、以下の内容はいずれも報道や業界筋の情報に基づくものであり、Appleが公式に認めたものではない点には留意されたい。

主役は2000ドル超えの折りたたみ「iPhone Duo」

今回のイベントの目玉と目されているのが、Appleにとって初となる折りたたみ式iPhoneだ。開発期間は10年近くに及ぶとされ、2017年のiPhone X以来の大きなデザイン刷新になるとの声もある。かねて「iPhone Ultra」という名称で噂されてきたが、イベント直前になって「iPhone Duo」という名称が急浮上した。ガーマン記者がX(旧Twitter)で明らかにしたところによると、この折りたたみ端末は256GBモデルが2000ドルから、最上位の2TBモデルは3000ドル程度になる見込みだという。歴代iPhoneの中で最も高価な機種になる可能性が高い。

一方、別のリーカーであるDevanshu Dhandhal氏は同日、名称は「iPhone Duo」で一致するものの、価格については2500ドルからとする異なる情報を投稿しており、発表直前まで価格情報が完全には一致していない状況がうかがえる。いずれにしても、Appleがメモリコスト上昇分を自社で吸収しつつ、極めて高価格な新カテゴリーとして投入する方向であることは複数の情報源で一致している。

スペック面では、他の新型iPhoneと同じA20 Proチップを搭載するとみられる。ディスプレイはカバー側が5.4インチから5.5インチ、内側は4対3のアスペクト比で7.8インチ程度になる見通しだ。背面にはメインと超広角レンズによる4800万画素のデュアルカメラを備える一方、望遠レンズは搭載されないと伝えられている。フロントカメラは1200万画素のシングル構成になる見込みだ。生体認証はFace IDではなくTouch IDが採用されるとの観測が有力で、Apple Pencilにも対応する。素材はiPhone Airに近いチタニウムとガラスの組み合わせになるとみられ、折り目(クリース)は依然として視認できる仕上がりのようだ。カラーバリエーションはダークブルーとホワイトの2色が有力視されている。なお、iPhone Duoはイベント当日に発表はされるものの、iPhone 18 Proシリーズと同時には発売されず、供給数が限定的な状態で10月以降に販売開始となる可能性が高いとみられている。

iPhone 18 Pro/Pro Max:値上げ観測とカメラの進化

iPhone 18 ProとPro Maxについては、TSMCの2nmプロセスで製造されるA20 Proチップの採用が確実視されている。このA20 Proは、RAMをプロセッサーと同じウェハー上に統合する「Wafer-Level Multi-Chip Module」という新方式のパッケージングを採用し、コンポーネント間の通信距離を短縮することで処理速度と電力効率の両方を高めるとされる。アナリストのJeff Pu氏によれば、RAM容量は12GBになる見通しだ。

カメラ面では可変絞り機構を備えたメインカメラの搭載が有力な観測として広がっており、実現すればAppleのカメラハードウェアとしては大きな刷新となる。このほか、ダイナミックアイランドの小型化、自社設計のC2セルラーモデムや新型のN2無線チップの採用、フロントカメラの2400万画素化(現行の1800万画素から引き上げ)、そして単なる緊急時利用にとどまらない本格的な衛星電話機能の搭載なども噂されている。バッテリー容量については、Proモデルで4300から4900mAh程度、Pro Maxで5100から5300mAh程度になるとの観測がある。カメラコントロールボタンについても、簡略化ないし仕様変更が加えられるとの見方が複数のリーカーから出ている。

価格については、台湾の調査会社TrendForceがiPhone 18 Proを1249ドルから1299ドル、Pro Maxを1349ドルから1399ドル程度と予測しており、前世代からおおむね200ドルから350ドルの値上げになるとの見方が有力だ。メモリ価格の高騰など、部材コストの上昇が背景にあるとみられている。デザイン面では、Face IDの一部コンポーネントをディスプレイ下に配置する方式への移行も観測されており、実現すればノッチやパンチホールに頼らない画面デザインへ一歩近づくことになる。カラーバリエーションについては、Pro Maxにダークチェリーを含む新色が追加されるとの見立てもあるが、こちらはまだ確度の低い情報にとどまる。

Apple Watchが「レコーディング」機能を搭載か:Series 12とUltra 4

イベント名でも注目される機能のひとつが、Apple Watch Series 12とUltra 4に搭載されるとみられる新しいAI機能だ。ガーマン記者の報道によれば、マイクやGPS、各種センサーの情報を組み合わせて1日の行動を自動的に要約する機能で、会話の内容も含めたサマリーを生成するという。ただし音声そのものは録音・保存されず、生成された要約データは新設される「Siri」アプリ内に保存される仕組みとされる。終日オンにしておくことも、特定の場所でのみ動作させることも選択でき、あくまでオプトイン方式で提供される見通しだ。常時マイクを起動させるデバイスに対しては消費者の警戒感も根強いが、Appleは音声を保存しない設計を前面に打ち出すことで、他社のAIウェアラブル製品との差別化を図るとみられる。この機能の利用には新型チップを搭載した最新モデルが必須になるとみられ、旧モデルでは対応しない可能性が高い。

ハードウェア面では、新しいSクラスチップ(アーキテクチャ名T8320、ブランド名はS11またはS12になると目される)の搭載が有力視されており、実現すれば数世代ぶりとなる大幅なシリコン刷新になる。次期watchOSでのオンデバイスSiri処理を支える基盤になるとの見方もある。このほか、常時作動する心拍数モニタリング機能のテストが進んでいるとの報道や、ベータ版ソフトウェアのコードにApple Watch向けTouch IDへの言及が見つかったとの情報もあるが、いずれも搭載が確定したものではなく、バッテリー消費への影響も含めて実際に採用されるかは不透明だ。現行モデルの心拍数計測が数分おきのスナップショット的な測定にとどまっているのに対し、常時計測が実現すればWHOOPやFitbitといったフィットネス特化型ウェアラブルの牙城に本格的に切り込む形になる。バッテリー持続時間を確保するための大容量バッテリー採用も、これとあわせて噂されている。

AirPods 5は堅実なアップデートにとどまる見込み

AirPods 5については、ノイズキャンセリング(ANC)搭載モデルと非搭載モデルの2モデル構成で登場するとの観測が有力だ。前モデルのAirPods 4は2024年に発売され、非ANCモデルが129ドル、ANCモデルが179ドルという価格構成だったが、AirPods 5の価格は現時点では明らかになっていない。新型のH3チップ搭載が噂されており、実現すればレイテンシーの低減や通話時のノイズ除去性能、空間オーディオ、Siri連携、デバイス間の切り替えの改善につながるとされるが、ガーマン記者自身、この点はまだ流動的で確定した情報ではないと述べている。

カメラ搭載モデルは2027年以降に持ち越される見通しで、今回のAirPods 5には搭載されない。2025年発売のAirPods Pro 3で初めて搭載された心拍数センサーについても、AirPods 5への搭載は見送られる公算が大きいとされる一方、体温センサーなど新たな健康関連機能が追加される可能性は残されている。全体としては、AirPods Pro 3やAirPods Max 2に比べると事前のリーク量自体が少なく、Appleが当日にサプライズを用意している余地も指摘されている。実際、今年前半に発売されたAirPods Max 2では、H2チップやライブ翻訳機能など事前にはほとんど噂されていなかった要素が当日になって明らかになった経緯があり、AirPods 5についても同様の展開があり得るとの見方が一部の海外メディアから示されている。

折りたたみ市場の勢力図はどう変わるか

Appleの折りたたみ市場参入が業界に与える影響についても、発表を前にさまざまな予測が出そろっている。市場調査会社Counterpoint Researchは、Appleが初年度で世界の折りたたみスマートフォン市場の25パーセントから29パーセント程度のシェアを獲得すると予測しており、これに伴い現在40パーセント前後とされるSamsungのシェアは31パーセントから32パーセント程度まで低下すると見込んでいる。一方、IDCの予測はやや異なり、Appleの出荷台数ベースのシェアは22パーセントにとどまるものの、高価格帯ゆえに市場の金額ベースでは34パーセントを占めるとの見方を示している。IDCの担当者は、折りたたみ端末全体の平均販売価格が一般的なスマートフォンの3倍程度に達するとの見通しも明らかにしている。予測会社によって数値にはばらつきがあるものの、Appleの参入が折りたたみ市場全体の拡大とカテゴリーの認知度向上を後押しするとの見方ではおおむね一致している。

こうした観測を受け、Samsung側からも反応が出ている。同社のモバイル部門幹部は、Appleの参入について自社が切り開いてきた市場価値が認められた証しだとして歓迎する姿勢を示す一方で、iPhone Duoのビルドクオリティーに対する警戒感がにじむコメントも伝えられている。SamsungはGalaxy Z Fold8やGalaxy Z TriFoldなど新型折りたたみ端末を2026年内に投入する計画とされ、Huaweiを含めた各社の攻防も今後さらに激しくなる見通しだ。

以上が発表直前の時点で伝えられている主なリーク情報だ。Bloombergをはじめとする複数の情報源の内容はおおむね一致しているものの、価格や一部仕様については情報源によってばらつきが見られ、実際の発表内容と細部で異なる可能性も十分にある。Ternus新CEO体制で最初の大型イベントとなる今回、折りたたみiPhoneの投入がAppleにとって新たな成長軸となり得るかどうかにも注目が集まりそうだ。正式な発表は日本時間まもなく始まる見通しで、続報が待たれる。

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