アメリカ巨大テック企業が決算をもうすぐ発表、予想は
2026年4月29日、アメリカの巨大テクノロジー企業が2026年第1四半期(1〜3月期)の決算を一斉に発表する。Microsoft、Alphabet(Google)、Meta Platforms、Amazonの4社が同日に結果を開示し、翌4月30日にはAppleも続く予定だ。世界の株式市場から多大な注目を集めるこの「決算ウィーク」では、各社がAI(人工知能)への莫大な投資を実際の収益増加につなげられているかどうかが最大の焦点となっている。
AIへの巨額投資、成果を問われる局面へ
Microsoft、Alphabet、Meta、Amazonの4社は2026年に合計6,000億〜6,450億ドル規模のAI設備投資を実施する見通しであり、ウォール街はデータセンターやGPU、AIプロダクトへの膨大な支出が実際の売上・利益に転換されているかを確認しようとしている。
S&P500構成企業全体の第1四半期の利益成長率は前年比13.2%と見込まれており、6四半期連続の二桁成長となる見通しだ。なかでもITセクターの成長率は45%に達する可能性があるとされ、大型テック株への期待は異例の高さとなっている。
Microsoft——Azureの成長率が最大の焦点
Microsoftは2026会計年度第3四半期(1〜3月期)の業績を4月29日に発表する。アナリストはEPS(1株当たり利益)4.04ドルを予想しており、これは前年同期比16.8%の増益に相当する。注目指標はAzureのコンスタントカレンシーベースの増収率で、同社ガイダンスは37〜38%成長を示している。第2四半期にAzureが39%成長を達成したため、投資家はAIワークロードがその勢いを維持しているかを見極めようとしている。
Microsoftはこの成長目標のうち、AI推論やAzure OpenAIワークロードなどAIサービスが約12%分を担う必要があるとされ、年間1,450億ドル規模のAI・クラウド設備投資を正当化するうえで不可欠な条件となっている。また、法人向けAIアシスタント「Microsoft 365 Copilot」のシート数増加も株価への直接的なカタリストとして注視されている。
Alphabet——Google Cloudが「主役」になるか
Alphabetは第1四半期に約1,070億ドルの売上収益を計上する見通しで、前年同期比約19%の増収が予想されている。Google Cloudは2025年第4四半期に47.8%という急成長を遂げ、年換算700億ドルの売上規模に達しており、今期もその勢いが続くかどうかが問われる。
Googleクラウドプラットフォームは、AIへの投資増加や企業によるGeminiの採用、大手AI研究機関へのTPU販売拡大を背景にして、著しい成長が期待されている。一方でクラウドへの積極投資が減価償却を通じて損益計算書に影響を与え始めることから、マージン動向にも注目が集まる。
700億ドルにのぼるGoogle Cloudの受注残高(RPO)が増加すれば、製薬・金融などの大企業がGeminiを活用した長期契約を結んでいることを意味し、GoogleがAIプラットフォーム競争でシェアを拡大している最も明確な証拠となる。また、AI機能の強化が従来の検索広告収益を圧迫するリスクについても、投資家の関心は高い。
Meta——広告エンジンの好調継続が最有力予想
Metaについては、アナリストの見解が特に強気だ。アナリストのコンセンサス予想ではEPSが6.67ドル(前年同期は6.43ドル)、売上高は前年同期比31.3%増の555億6,000万ドルが見込まれており、これは2025年第1四半期の16.1%成長から大幅に加速する数字だ。
過去4四半期にわたってEPS予想を上回り続けており、平均で約8%のサプライズを記録している。50人のアナリストのうち42人が「買い」推奨を付けており、売り推奨はゼロという、4月29日に決算を発表する企業のなかで最もコンセンサスが一致した強気評価となっている。
投資家の関心はもはや「予想を上回るかどうか」よりも資本配分の方針に移っている。Metaは2026年に600億〜650億ドルのAIインフラ投資を計画しているが、これが拡大される場合、対応する売上ガイダンスの引き上げが伴わなければ投資家の懸念を招く可能性がある。
Amazon——AWSの成長率と独自AIチップが注目点
Amazonは4月29日の引け後に第1四半期業績を発表する予定だ。AWSクラウド部門の成長加速に加え、Anthropicへの最大250億ドルの投資を含む戦略的パートナーシップが相次ぎ、同社株は過去1ヵ月で29%超上昇している。
AmazonはAWSの売上成長率が25%を超えるかどうかが主要な確認ポイントとなる。また、自社開発の3ナノメートルAIチップ「Trainium3」の受注がほぼ満杯に達しているとの報告があり、AWSがコスト効率の高いAI訓練のプラットフォームとして確立されつつあることを示唆している。アナリストの予想売上高は約1,770億ドルで、営業利益は208億ドル程度とされている。
UBSのアナリストは、AmazonのOpenAIやAnthropicとの追加投資・契約がバックログに約2,000億ドルを加える効果をもたらすと試算しており、2026年のAWS成長率を26%とするウォール街のコンセンサスを大きく上回る38%成長を予想している。
Apple——翌4月30日に発表、関税リスクとCEO交代が影
5社のなかで唯一、翌日に決算を控えるのがAppleだ。Appleの2026会計年度第2四半期(1〜3月期)の業績は4月30日の引け後に発表される。直前の第1四半期はiPhoneが前年比23%増の853億ドルを記録し、全5つの地域セグメントで過去最高を更新するという驚異的な実績を残した。
ウォール街のコンセンサスは31〜32人のアナリストに基づき、売上高1,096億9,000万ドル(前年同期比15%増)、EPSは1.95ドル(同18%増)となっている。
課題として浮上しているのは関税問題とCEO交代だ。AppleはQ1に14億ドルの関税コストを吸収した。その後、国際緊急経済権限法(IEEPA)関税が最高裁により無効とされたものの、中国製品に関連する新たな301条調査が開始されており、サプライチェーン全体に不透明感が残っている。Tim Cook CEOの退任というコンテキストも加わり、経営陣がどのようにリーダーシップ移行の方針を示し、AIロードマップについて説明するかも市場の焦点となっている。
「期待の高さ」自体がリスクに
市場の楽観論が強まるなか、専門家は過度な期待織り込みへの警戒も促している。今決算シーズンでは、Netflixが前年比16.2%の増収で予想を上回ったにもかかわらず株価が9.7%下落するなど、好業績発表後にも市場の反応が芳しくないケースが散見されている。株価の大幅上昇を経て決算に臨む今回のビッグテック各社においても、同様のリスクがあることを投資家は意識している。
AI投資の規模は前例のないレベルに達している。各社が発表する業績内容はもちろん、経営陣が今後のAI戦略や設備投資計画をどのような言葉で語るかが、今後数ヵ月の相場の方向性を大きく左右することになりそうだ。
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